TIPS 業界豆知識
接客の時のお辞儀の意味
今日は、接客するのに欠かせないお辞儀について考えてみたいと思います。
そもそもお辞儀というものは、自分が相手に対して無抵抗であることを示す動作だと言われています。
インドや東南アジアで行われている、腕の前で手の平を合わせてお願いするような姿勢で頭を下げているお辞儀が伝えられ、今に至っているようです。
京都祇園のシェトランでも、お客様にお越しいただいた感謝の気持ちをお辞儀でお伝えしているつもりですが、お辞儀の時の手の組み方で意味合いが変わるので、そのことについて触れてみたいと思います。
まず、挨拶の時に後ろで手を組むというのは論外です。
後ろに手をやることで相手に隠し事をしているように見えたり、ふんぞりかえって偉そうに見えるので感謝の気持ちや謝罪の意が伝わらないどころか、相手を嫌な気持ちにさせてしまう可能性さえあります。
それでは、次に右手を上にした場合ですが、利き手の右手を上にすることで、
「私はいつでもすぐにあなたのお役に立てるよう準備しています」
という意味を込めることができます。
右手を上にした場合、目の前のお客様に何か突発的なことが起きたらすぐに右手で対応することができます。
お客様に商品が倒れるの等の不測の事態、お客様の希望の商品をすぐ手にする、場所を案内したり商品を指し示したりする時に、利き手が上だからこそスムーズに対応ができます。
という事は、利き手である右手を下にして、左手を上にする場合というのは、すぐに手が出ない事、利き手を覆うことで、相手に対する敵対心を捨てて忠誠を尽くすという意味合いが込められます。
「私の右手は、あなたを攻撃することはありません」
そんな気持ちがあらわされているのです。
西洋のサービスマナーとして、利き手の右手はよく使うためどちらかというと汚れがちなので、相手に汚い部分をなるべく見せないようにするという配慮もあるといわれているようですが、日本の武道で左手が上になる理由として、利き腕を切り落とされないように右手は極力相手側には出さないという流れがあるので、西洋のサービスマナーが入ってくる前から、左手が上だったのではないかと思われます。
感謝の気持ちや、尊敬の意を表す時にするお辞儀ですから、丁寧に心を込めて行いたいですね。
そこまでお客様は見ていない…と言ってしまえばそれまでですが、見ている人は見ていますし、見ている人こそ普段から気にされている事なので、私たちの思いはその瞬間に伝わるのではないでしょうか?
見られているかどうかというより、そんな思いで接客をしていることがお辞儀を通してお客様に伝わるのだと思います。
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